闇金融が使用する口座は誰かの口座です。
ほとんどは個人名です。
勿論、これはヤミ金融の経営者の口座ではありません。ヤミ金は犯罪ですから、自分名義の口座で経営する者はいないでしょう。
ヤミ金が使っている口座は主に2種類。
- 業者から購入した口座
- 誰かに作らせた口座
「口座を業者から購入できるのか?」と思った人もいることでしょう。購入できます。売っているんです。口座屋という商売があるくらいです。業者が売っている口座は、架空名義や誰かに作らせた口座です。
誰かに作らせた口座とは、どのような口座なのでしょうか?
これは、ホームレスに作らせたり、金に困った人に作らせた口座です。
ホームレスの中には身分証明書を持っている人がいます。そういった人たちに金を払い、口座を作ってもらいます。
金に困った人に作らせることもあるようです。利子の代わりに口座を作らせるとか。ヤミ金にしてみれば、金に困った人など探す必要がないでしょう。わざわざ探さなくても、顧客の中にたくさんいるわけです。そういった人たちに作らせるわけです。
このような口座をいくつも持ち、口座凍結などのリスクを分散しながら営業をしているようです。
それヤミ金の片棒を担いでます!口座や携帯電話の代理契約!
世の中、怪しいアルバイトの中に口座開設を行い売却することや携帯電話を契約し名義ごと売ってしまうというものがあります。これらの殆どがヤミ金や詐欺集団の手に渡り悪用されています。高額な現金を簡単に手に入れたいと思って手を出したら、ヤミ金の悪事に関係してしまったというケースは少なからずあります。
特に銀行口座は、ヤミ金の振り込み用口座に利用されてしまい、被害が告発されると銀行口座が凍結されます。ここで注意しなければならないのが、銀行口座の凍結リストには、名義人の個人情報までも登録されています。この後、重大な問題と発展し、新たな銀行口座をどこの銀行でも開設出来なくなってしまいます。つまり、口座名義を売り渡したという違法行為が後の人生を傷つけます。大学生であれば、銀行口座が開設出来なくなるということは、まともな企業に就職できないということになります。給与は全て銀行口座振込が主流ですから、振込口座が作れないということは問題があると発覚してしまいます。また、携帯電話の場合、同じキャリアでの契約が出来なくなります。最近主流の格安SIMやスマホですが、クレジットカード決済のものが多く、不正利用が発覚すると契約の停止になります。また、端末代金を割賦購入していた場合、割賦購入自体が強制解約となり、その事故情報が個人信用情報に残ります。
簡単に現金を得ようとした行為がヤミ金と繋がった場合、その後の人生に計り知れないダメージを受けるため、怪しいバイトには手を出すのは厳禁です。
【コラム】ヤミ金の口座とマイナンバー(マネーロンダリングの防止)
マネーロンダリングの防止が世界的に行われる中、日本においても金融当局の対策が進んでいます。
さらに警察もヤミ金の摘発が暴力団などの資金源根絶につながることから強化しており、 5年前と比較としても件数自体が半減しています。
ただし被害額そのものは増えていることから、一件あたりの被害金額が高騰していることが伺えます。
さて、上記でも述べたように金融当局の規制、特に振り込め詐欺対策も含めて銀行口座の凍結が頻繁に行われるようになりましたから、 銀行を介した資金の移動は難しくなりつつあります。
加えて昨今話題のマイナンバーが銀行口座への紐付けが始まりますし、すでに外貨預金や投資信託の口座では必須になっています。2020年以降には普通預金口座においてもマイナンバーの通知が義務化されるとの観測もあり、ますますマネーロンダリングが難しくなります。
こうなると逆に、完全に銀行介さないヤミ金が跋扈しかねない状況になるかと思いきや、お金の動きそのものを政府が把握できる状態になるわけです。市場でイレギュラーなお金の動きがあれば一目瞭然なため、結局はヤミ金で利益を得たとしても使い道自体が非常に困難になると言うわけです。
このようにマイナンバー制度が浸透すればするほど、お金の動きに関しては闇世界の存在が追い詰められていくのは間違いありません。